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プラントを企画する人、つくる人

タケ
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プラントを企画する人、つくる人

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カタールの砂漠からこんにちは。

ミステリーハンター、タケです。

普段プラントエンジニアやプラントエンジニアリング会社のことを記事にしたりしてますが、その人達はあくまで依頼を受けて”つくる人”。

ではここでクエスチョン。
プラントを”企画する人”って一体どんな人なのでしょうか。
もちろん企業側から「こういうプラントを作って」という依頼もあるのですが、それとは別に「こういうプラントを作ったらもっと発展しますよ」といった、もう少し大きな国規模のスケールで発案する人たちがいるのです。

 

といっても、そう難しくない話なんですが、これからプラント関係に進みたいと考えている学生さんたちにも、ちょっと忘れがちなプラントを企画する人のことも知っておいたほうがいいのかなと思って取り上げてみました。

 

それではいきましょう、プラント百景スタートです。

プラントを企画する人

1)総合商社

総合商社のビジネス範囲は広いのですが、エネルギー開発もそのひとつ。資源メジャーや各国政府と交渉し、大規模プラント建設プロジェクトやその後のエネルギービジネスを企画・提案し、まとめていきます。資金の提供や調達も重要な役割です。もちろんビジネスなので、儲かる・儲からないの判断から企画していきます。

三井物産や三菱商事、住友商事、伊藤忠、丸紅、双日、豊田通商など、2つ3つは聞いたことあると思います。

日本の商社は海外から日本特有の企業形態として認知されていて、明治維新以降、日本の近代化とともに貿易や流通面、海外ネットワークや情報網はメーカーに対して優位な位置を占める事ができました。世の中の必要なサービスを必要なだけ、必要なところに効率的につなぎ合わせるのが商社の役割です。
ちなみに日本最初の商社は坂本龍馬が作った「亀山社中」だと言われてます。

プラント業界ひとくくりで考えた時、商社の存在を忘れがちですが、大もとはここが発起点だったりもします。なので「プラントを作りたい(生み出したい)」という方は商社も候補のひとつとして考えてみていいと思います。

担当するエリアの政府や企業などとネットワークを築いて情報収集し、現地の情報やニーズに基づいたプラント開発事業を提案します。数百、数千臆円規模のビジネスなので、受注に至るまでに数年を要することもあります。現地に駐在することも多いです。

総合商社はプラント開発技術を持っていないため、プラントエンジニアリング会社などと連携して、さまざまな企業が参加するプロジェクトを結成したり、共同で新たな会社を立ち上げるケースもあります。

 

2)独立行政法人など

JICA(国際協力機構)など、開発途上国支援や日本企業の海外支援に取り組む独立行政法人などが海外プラント開発の企画に関わることもあります。現地の事情やニーズの調査、プロジェクトのコーディネート、資金調達などを担います。

JICAはプラントだけでなく、教育や保健医療、水資源など開発途上国の貧困削減、感染症、紛争、自然災害、気候変動など地球規模のさまざまな課題への取り組みを行っていて、資源・エネルギーもそのひとつ。

開発途上国では、まだまだ電力や飲料水が行き届いていないところも多く、生活インフラの確保・供給を必要としています。

一方で先進国の豊かさと繁栄は、地球温暖化問題という負の遺産を生み、人類共通の課題となっています。CO2総排出量の約8割がエネルギー起源であり、更にその約4割が発電由来となっていることから、これらの課題にも取り組んでいます。

 

3)それぞれの企業

たとえば石油会社、電力会社、製鉄会社、食品や製薬会社、ごみ処理を行いたい自治体、鉄道会社、テーマパークの運営会社、自衛隊基地などといった自社事業や政策のために必要な生産設備の建設を立案し外部発注しています。自社でもエンジニアリング部門があったりグループ子会社を作っている企業もありますが、「こういうものを作って欲しい」と要求仕様を計画して、それをプラントエンジニアリング会社に発注します。
こう考えると、プラント設備を必要とする企業ってすごく幅広いですよね。

プラントをつくる人

1)プラントエンジニアリング会社

プラントの設計、機器や資材の調達、現場での建設を手掛けます。最近ではプラント周辺の道路や環境関連のインフラまで関わるケースも増えてきています。商社と連携して案件を受注することも多いですが、自社でもそれぞれのエンドユーザーや国、地方自治体などへ営業活動を行っています。

 

2)プラント機器メーカー

プラントエンジニアリング会社の設計や指示に従い、配管、圧力容器、冷水塔、熱交換器、各種計測装置などの機器や設備・資材を製造し、納品します。製品の種類ごとに、国内外にさまざまなメーカーがあります。

プラントエンジニア

プラント開発は、機械・電気・化学・土木・建築・材料などさまざまな技術を総合した事業なので、多様な専門性をもったエンジニアが集まっています。そのほか、プロジェクトを管理しまとめる仕事、案件を受注する営業職なども重要な役割を担っています。

1)機械エンジニア

圧力容器、熱交換器、コンプレッサー(空気を圧縮する機器)、配管など、プラントで使用される機器・設備の設計を担当します。なかには100m級の巨大な機械設備もあります。製造はプラント機器メーカーに依頼しますが、その指示や管理を担います。

2)プロセスエンジニア

ガス、石油、工業製品などを製造するためのプラント内の工程を設計する仕事です。エネルギー系のプロセス設計では化学の専門知識が求められます。コンピューターによるシミュレーションもしながら、プラントの核となる仕組みを考えていきます。

3)土木建築エンジニア

巨大機器を設置するための基礎台や、コンクリート製・鉄骨製の構造物、地下の配管、さらにプラント内の道路や港湾設備などを設計します。工事の前に行う現地の地盤調査や地盤改良なども土木建築系プラントエンジニアの役割です。

4)電気エンジニア

プラント内の機器に電気を供給するための受電・発電・変電・送電・配電設備や照明設備、通信設備などの設計を担当します。現地の電力事情なども考慮に入れ、各部門のエンジニアとも相談しながら、安全で安定した電力供給を実現していきます。

5)計装エンジニア

ブラントを安全に動かすには、状況に応じて機器の運転・停止をコントロールし
たり、配管内を流れる液体や気体の量、配管内の温度・圧力などを管理したりす
ることが必要です。そのための計測装置や制御システムを設計するエンジニアです。

6)プロジェクトマネージャー

担当するエリアの政府、企業などとネットワークを築いて情報収集し、現地の事情、ニーズに基づいたプラント開発事業を提案します。数百、数千億円規模のビジネスなので、受注に至るまでに数年を要することもあります。現地に駐在することも多いです。また各設計の取りまとめや調整、進捗管理なども行います。

7)調達

プラントエンジニアリング会社はメーカーではないので、プラントに必要な機器や資材はプラント機器メーカーなどから購入します。その際のメーカーの選定、
発注、価格交渉などが調達の役割です。文系出身者も活躍している仕事です。

この職業に就くには

大学は工学部や理学部に進学するのが王道です。分野は機械、電気、化学、土木・建楽、情報など。大学院修士課程などで専門性を高めるとさらにチャンスは広がります。また、海外で活躍するプラントエンジニアには、数学・理科だけでなく、英語や地理・歴史などの勉強も役に立つうえ、部活で養われる体力もプラスになります。高校時代の過ごし方も大事なボイントです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
たとえば石油生産国などへのプラント売込みはその分野では得意な商社やJICAのほうが物事が上手く進みます。その国の必要性や国民への配慮、将来の展望、気象変化や国同士の政策のからみなど、プラントエンジニアリング会社がそういった詳しい情報まで手に入れたり折衝するのは困難であるため、それらを総合商社やJICAが担っているわけです。もちろん同案件での商社同士のぶつかり合いもあります。

ちなみにプラントエンジ専業3社で言うと、千代田化工建設や東洋エンジニアリングは商社の系列グループ会社(順に三菱系、三井系)で、商社に属さず商社のような活動を独自で行っているのが日揮です。
とはいえ前述2社も商社を通さず独自ルートで立案・受注しているケースもあります。

タケ
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この記事を書いた人
タケ
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プラントエンジニア歴20年の男
電気EPC技師として国内・海外を20年間飛びまわる。働く環境づくりや人材採用テクニックに興味を持ち、人材派遣会社のマネージャー職に転身。その後、エンジニア採用や企業広報を支援すべく起業。業界内の新しい価値を生み出すためのプロジェクトとして本ウェブマガジン『プラント百景』や転職サイト『プラント特区』を手掛ける。
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