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元プラントエンジニアが語る「プラントエンジニアとは?」

プラントエンジニアとは
タケ
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元プラントエンジニアが語る「プラントエンジニアとは?」

タケ
タケ

経験談です。

タケです。
元プラントエンジニア、電気屋です。
石油精製・石油化学・発電系の設備設計と施工管理をメインにいろいろやってきました。

そう言えば、現役の頃は自分達のことを「プラントエンジニアです」とかって言わなかったような気がします。

担当は国内案件でしたが、カタールやロシアといった現場にも応援で行きました。設計だけで言えばサウジやマレーシア、中国などの海外案件も経験しています。

マイナス20℃でもがんばってるカッコいいオレ(ロシア)

※マイナス20℃でもがんばってる超絶カッコいいオレ(inロシア)

国内と海外では機器資材の仕様や規格が違うのでちょっと厄介なのですが、電気理論的にいえば世界共通なので、まぁそんなに異次元っていうほどではなかったような気がします。ただ、自分には国内案件やってるほうが向いてると思いました、性格上。
英語は得意ではないですが、追い込まれたら喋れるようになります。

エンジニアの業務としては大きく【設計】と【現場】に分かれるのですが、どちらも始まると長期になるので、本社で設計やってれば現場に行きたくなるし、現場に行けば設計やりたくなる。プラントエンジニアあるあるですね。

タケの場合は比率的に、年間、設計5・現場5くらいで、自分で設計して自分で現場に行くといったケースが多かったので、最初から最後まで携われるのは良かったと思います。

基本的におもしろい仕事なのですが、辛いことのほうが多いと思います。比率的には、7:3か、8:2くらい。基本いつもしかめっ面して仕事していたので、いつのまにか、おでこに消えないシワが1本できてました。
でもあんまり「この仕事辞めたい」って思ったことはないですね。Mっ気の要素を持ち合わせている人にはプラントエンジニアは向いているかも知れません。

SDM(シャットダウン・メンテナンス、いわゆる”定修”)のあの緊張感をワクワクできれば、立派なドMエンジニアです。(=タケ)

よく企業求人やホームページで『みんなの生活になくてはならない仕事』とか『社会貢献できます』といったフレコミも目にしますが、残念ながら実際働いていてそれを意識したことは無いし、体感したことも無いです。
それを想う経営者や人事・役員クラスの方々とのギャップはあるかも知れませんが、まぁそれぞれの責任があることなので。
エンジニアは目の前にある仕事をこなす、これに尽きます。

今回は、「プラントエンジニアとは?」というテーマに沿って、これからプラントエンジニアを目指す人、足を踏み入れてまだ間もない人にとって参考になれば嬉しいです。

それではいきましょう、プラント百景スタート!

プラントエンジニアとは

さて、プラントエンジニアとは一体何でしょうか?
ざっくり言うと生産設備を設計し、実物を現場で完成させる管理をすること、っていろんなサイトに書いてますね。

もちろん実際に組み上げるのは職人さんの方々ですし、「金閣寺って誰が建てたんだっけ?」って聞かれたら、”足利3代将軍・足利義満でしょ”って答えますが、でも足利さんは設計も作業もしてませんよね。
プラントも同じで、プラントエンジニアの誰々がって名を残せたりすることはなくって、ちょっと影に隠れた人達なのです。

設計にせよ、現場にせよ、基本的に1人のエンジニアだけで完結することはなく、それぞれの専門分野のエンジニアたちが、それぞれの守備範囲の業務を行い、それらを上手にひとつにまとめたものなので、社内的に「誰々の設計はスゴイ!」とかいう仲間同士の評価はあったとしても、世の中的に知られることは一切ありません。
もっと言えば、同じ業界内でも個人名が独り歩きすることはほぼ無いです。(個人的にプラントエンジニア名鑑みたいなもの作ってみたいです)

さて、そんなプラントエンジニアには以下のような職種(役割分担)があります。

プロセスエンジニア

製品を生産するためにプラント全体の性能を決め、設計の方向性を決める人達です。

配管エンジニア

プラント内の機器をつなぐ配管や全体レイアウトの設計を行います。配管の強度解析や材料選定なども。

機器・機械エンジニア

反応器や蒸留塔、タンク、熱交換器、フレア、ボイラー、産業機械といった大小様々な機器設備の設計を行います。

回転器エンジニア

コンプレッサーやポンプ、ガスタービンなどの回転するもの全般の機器設計を行う人達です。

電気エンジニア

プラント内の機器に電気を供給するための発変電・送配電の設計や、動力電源関連、照明、通信設備の設計を担当します。

計装制御エンジニア

配管や機器内の流体の流量、圧力、温度、液位、成分などを測定・制御する機器やシステムを設計します。

土木エンジニア

建設場所の自然環境や条件の評価、土地造成、地盤改良や地中構造、埋設配管、コンクリート基礎などの構造物の設計を行います。

建築エンジニア

プラント内に建てられる機械室、制御室などの建屋、オフィス棟や病院等の建屋全体の設計を担当します。

解析エンジニア

構造・流体・材料・溶接・騒音などに関するエンジニアリング技術の専門家として、上記のような職種の技術支援や提案を行うプロフェッショナルな仕事です。

調達エンジニア

建設に必要な機器・資材の発注や、輸送手配・スケジュール管理を行います。資機材だけでなく、施工業者などの手配なども行う場合もあります。

品質管理エンジニア

資機材の製作工程や性能における品質管理や、現場での機器据付後の最終確認検査や配管溶接工事の品質管理など、顧客が求める品質の実現に責任を持ちます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトの組織化、効率的運用、社内・社外調整などを統括。プロジェクトをリードし、コスト・スケジュール・品質バランスを考えた時の最適解を判断する最終責任者。

・・・といった感じです。
企業によって呼び方や業務内容に違いがあったり、一人のエンジニアが2つ3つの職種を掛け持つこともあれば、逆にもっと専門的に細分化されることもあるし、これとは違う特殊な職種もあるなど、明確に統一されたものではないですが、ざっくりこのような職種があることを知ってもらえれば大丈夫です。

プラントエンジニアに求められるもの

エンジニアというからには、専門的な技術を持っていなければなりません。

私達のプラントでいうならば、提案・計画・設計・製作・調達・設置・運用・管理・改造など、あらゆるシチュエーションでの知識が必要となります。

なので、常に勉強・勉強です。

”偶然”や”勘”というものは一切許されず、求められるのは「正確な根拠」です。
たくさん計算・検討して、導かれた結論がエンジニアの武器。

間違ったアウトプットが大損害を招いたり、人命に関わる事だってあるので、いつも真剣勝負です。性格的に雑な人もいますが、基本的にプラントエンジニアは(しょうもないことも)細かいことにこだわる人が多いです。

ちなみに『勘ジニアリング』という言葉が昔からあって、これまでの経験や実績に基づいた予想論で設計をショートカットすることもあります。ただ、結局これも「根拠」があるからできること。
5×3は15と、頭で覚えていたらわざわざ計算機は使いませんよね(なんか例えがちがうな…失礼)。「ああなればこうなる」という実体験から答えを導く技術もやがて必要になってきますが、決して、一か八かという意味では無いので勘違いしないように。今後の展開や気配を読んで、勘ジニアリングが働ければ上級者です。

いずれにせよ、緻密な計算だろうが、勘だろうが、そのアウトプットを出したあなた自身がその責任を取らなくてはなりません。それがエンジニアというもので、そこにエンジニアの価値があります。無責任にああだこうだ言うだけのエンジニアはまだまだ青いです。

失敗するのも大事

そうは言うものの、失敗はたくさん経験していおいたほうがいいです。
失敗しちゃいけないんですが、失敗したほうがいいなんて矛盾してますよね。

「失敗は成功のもと」ということわざもありますが、失敗は成功するよりもはるかに多くのことを学べます。

もう少し付け加えるならば、小さい失敗をたくさんしておけば、大きな失敗は防げるんじゃないかって、これ自分の仮説です。

失敗を経験していると、次からはその選択肢はもう選ばないし、いくつかの選択肢があった時に一番いい答えを選ぶことができます。

結局、エンジニアは選べる選択肢が多いほど設計が上手ってこと。

リスク回避とでも言おうか、万が一に備えるとでも言おうか、「やってはいけないこと」を絶対やらないエンジニアになれれば最高です。

お金のことも気にしとけ

完璧な設計をすることがエンジニアの仕事ですが、赤字になっては台無しです。

依頼主からお金をもらい、成果を出しつつ儲けを出すことが目的なので、いっぱい残業して設計に時間をかけすぎたり、見積りが甘くて資材を過剰に買ったり、何回もやり直す施工手順を指示しちゃったりすると、余計なお金がみるみる膨れ上がり最終的に儲け分が出ません。

そのためには、手際よく仕事をこなすテクニックが必要で、さっきの話と重複しますが、いろいろ経験しておくことが大事なのです。

新人のときは上司や先輩がお金のことを面倒見てくれるので、そこまで気にする事はないですが、やがてその時が自分にもやってきます。

設計でも、買い物でも、現場でも、いろんなことに気を配って、なぜそうなるのかをいつも疑問に思い、「この選択が一番お金が掛からない方法だ」という結論までを身につけるクセをつけましょう。

結局、エンジニアも企業人なのです。
「とにかくいいものをつくるぜ」だけでは良いエンジニアとは言えません。

人に説明できてナンボ

特に新人のときは、わからないことは聞いて聞いて聞きまくって下さい。

知らないまま年を取ると恥ずかしくて聞けないようになります。
質問しても、「忙しいいから」とか「また今度ね」とか、ちゃんと教えてくれない先輩って実はよく知らないから、っていうオチもエンジニアあるあるです。

人にわかりやすく教えられるようになればバッチリです。

やがてそれが、後輩ではなく依頼主(顧客)に説明するという場面がやってきます。
後輩なら「また今度ね」でやり過ごすことができたとしても、依頼主の場合はそうはいきません。「よくわかりませんがこうなります」なんて言っちゃ絶対ダメ。マジで「帰れ」って言われます。

プライドが高く、人に聞かないし、人にも教えない。
これってエンジニアとしてかなり遠回りになります。

悩んでる人を助けてあげたら、自分が悩んでいる時にはきっと助けてくれるでしょう。そんな関係をつくるのも大事です。

一銭にもならないプライドなんてなんの役にもたちません。
手遅れにならないためにも、新人の時から気をつけておいて下さい。

プラントエンジニアとは結局、なに?

そろそろまとめなのですが、プラントエンジニアとは、ってひとことで表すのは難しいのですが、ひとつ言うなら、思った以上にエンジニアエンジニアしてません。笑

意外と営業能力は問われるし、マネジメント力も必要。現場では草むしりもするしホームセンターに備品の買い出しも行く。接待でご機嫌取りもする夜もあれば、作業員名簿をひたすら打ち込む夜もある。

まぁそれも含めてプラントエンジニアだと言えばそうなのですが、結構どこにでもいるサラリーマンです。

ただ、現場を引き上げる時に完成したプラントを眺めて、「あぁ、これオレが作ったんだな」と思えるときが来たら、それがプラントエンジニアだと思います。(キマった!)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はタケが思うプラントエンジニアについてご紹介しました。
他のサイトで書かれている『プラントエンジニアとは』とは一風変わった記事になりますが、これもリアルなところです。

現在進行系でプラントエンジニアの人には共感してもらえたと思います。
これからプラントエンジニアを目指す人には、ちょっと想像とは違うものがあったかも知れませんが、逆に、入社時から技術や知識は必要なくって、意外と誰でも挑戦できる職業なんだと感じ取ってもらえたら、これを書いた意味があったと思います。

タケ
タケ

世間的には「プラントエンジニア?はぁ?」ってなるけどね。

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この記事を書いた人
タケ
タケ
プラントエンジニア歴20年の男
電気EPC技師として国内・海外を20年間飛びまわる。働く環境づくりや人材採用テクニックに興味を持ち、人材派遣会社のマネージャー職に転身。その後、エンジニア採用や企業広報を支援すべく起業。業界内の新しい価値を生み出すためのプロジェクトとして本ウェブマガジン『プラント百景』や転職サイト『プラント特区』を手掛ける。
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