ごみ焼却施設の屋上に◎◎作っちゃった!(CopenHill)
ごみ焼却施設の屋上に◎◎作っちゃった!(CopenHill)
さて何でしょう?
タケです。
さてこの建物、一体何なのかわかりますか?
煙突らしきものから煙がモクモク出ていますね。どうやらプラントっぽいです。
それにしてもちょっと近代的なデザインですよね。普通に銀座とか渋谷にありそうです。
はい、実はこれ、ごみ焼却施設なんです。
で、驚くのはそこじゃなくって、この建物、ただのごみ焼却施設ではありません。
なんと・・・
屋上に人工スキー場作っちゃいましたー!イエーイ!!
ぱっと見、ゴルフコースっぽいですけど、人工芝のスキー場ですよー。
いやー、こういう斜め上をいく発想大好きです。
というわけで今回は、このごみ焼却施設がどこにあるのか・誰が作ったのか・なぜ作ったのかなど、調べてみたので紹介していきますねー。
それではいきましょう、プラント百景スタート。
どんなものなの?
デンマークのコペンハーゲンに今年誕生しました。
名称は「CopenHill(コペンヒル)」。
もちろんごみ焼却施設と発電施設も兼ね備えており、年間で44万トンのごみから15万世帯分の電気を発電することができます。
もちろん話題となっているのは、スキー場なのですが、その他にも、ハイキングや建物の外壁を使ったクライミングを楽しむことができ、地元の人々はもちろん、観光客にも好評なんだそうです。
コペンハーゲンは、2025年までに【世界初CO2排出ゼロの都市】を目指していて、このCopenHillは目玉となるプロジェクト。
設計を担当したビャルケ・インゲルスさんは「愉快なサステナイナビリティーを実現する場にしたい」、「環境に配慮することは、人を幸せにすることにもつながるということを示したい」と語っています。
スキーができる。
さてこの人工スキー場。
屋上から地上まで、約450mの人工芝のスキーコースは初心者から上級者まで対応しています。頂上からは傾斜角度30度超え、ポールも立っているので上級者のトレーニングも可能です。
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スキー以外もできる。
スキーをしない人にも色々用意しています。
展望台、公園、屋上バー、クロスフィットエリア、クライミングウォールなど。ゲレンデに沿って左右に階段とセメントで固めたトレッキング用の坂道があります。傾斜角度は5~35度、頂上まで最短で450mの距離があり、登り口から頂上まで約15分ほどかかります。
外壁には人工物としては世界最高となる85mの高さのクライミンウォールが登場する予定です。
デンマークには山がほとんどないので、コペンヒルの人工の丘は珍しい光景に見えるそうです。このコペンヒルの人工ゲレンデの下に廃棄物を処理する大規模なエネルギープラントがあるとは、ちょっと想像できませんよね。
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そもそもごみ焼却+発電施設です。
しかし、この建物の本来の目的はごみ焼却施設で、その廃棄物から電気と暖房用の熱を作ることです。
焼却する50%のゴミは約60万人の家庭ごみ。
残りの50%は会社や工場からだそうです。
ごみ処理場は36mの深さの焼却炉が2つあって、毎時25〜30トンのごみを2時間ほど950℃から1000℃の高熱で燃やします。
1年間で3万世帯の電気、7万2千世帯の暖房供給が行われる予定です。
毎日250~300台のトラックの廃棄物が焼却されていますが、ゴミは地下に運搬されるため地上で臭いは全くしないそうです。廃棄物の5%は有毒性など調べられ、焼却後の煙もフィルターを通し無毒化されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一般的に迷惑施設と受け取られるごみ焼却施設ですが、レクリエーション施設を加え賑わいをもたらす事で、そのイメージを打ち破りました。
草木が茂る屋根でハイキング、スロープでスキーやスノーボード、建物外壁ではクライミングができる。そんなコペンハーゲンのお話でした。
こういった取り組みは、近隣住民や施設利用者にも喜ばれると思いますが、なにより設計するプラントエンジニア自身がワクワクして仕事ができるような気がします。日本もこういった面白いプラントが増えればいいですよね。
それではまた、タケでした。
そういや最近スキーって行ってないなー。