原油価格マイナスのしくみをセミでもわかるようにまとめてみた
原油価格マイナスのしくみをセミでもわかるようにまとめてみた
え、タダで石油くれるの?
タケです。
先日ニュースで話題になった「原油価格マイナス」についての話。
特にプラント業界の方々は、ダイレクトに原油価格に直結するので興味ある方も多いと思います。
原油マイナス?値段が?日本でも?・・・わからないことばかりです。
ちょっと近くのガソリンスタンドの価格ボードを見に行こうかな、くらい真面目に思ってしまいました。
どうやらですね、取引価格がマイナスと言うことは、売り手がお金を支払って原油を引き取ってもらう…ということを意味していて、それはそれは歴史上初めての事態なんだとか。どうりで初めて聞いた言葉だと思った。
マイナス金利は聞いたことあるけど、原油価格もマイナスになるの?と思うかもしれません。
以下はざっくりとしたニュースの概要がつかめる程度の解説なので、よければ最後まで読んでみてくださいね。
それではいきましょう、プラント百景スタート!
整理すると
簡単に話を整理すると、こういうことらしい。
・アメリカの話
・お金ももらって原油ももらう(!)
・5月限定のもの
どうやらアメリカのオクラホマ州にあるクッシングというところの話らしい。
オクラホマ州は、ちょうどアメリカの真ん中くらいの場所ですね。
お、ゼビウスみたい!
そしてクッシングというところは、アメリカ最大の石油貯蔵ハブとして知られているそうです。ここからいろんなところに分配されていくんですね。
で、今回その原油価格がマイナスになったのにはポイントがいくつかあって、
・クッシングというド内陸な地形
・新型コロナの影響
・あっちもこっちもタンクがお腹いっぱい
・今は誰も受け取れない(買い手がいない)
原油は液体なので、当然買うときは売られている現物(液体)のまま受け取らなくてはいけないのですが、入れ物がないと受け取れないですよね。
もちろんそれがタンクなのですが、いまはどの企業も一杯らしいのです。
そう、新型コロナウィルスの影響で、世界的に交通量は激減し、多くの工業もストップ状態。いま原油をもらっても、欲しいという企業が少ないので、一旦貯蔵しているクッシングのタンクが一杯になっているのです。
いつも買ってる企業側からすれば、いくらマイナス(タダ)だからとは言え、運ぶには輸送費も掛かるし、こんな時期に売れないものをこれ以上増やすわけにはいきません。せめてタンクに空きがあれば買えたかも知れないけれども。
誰か引き取って!
欲しい人がいない。輸送コストがかかる。みんなのタンクに空きがない。
そんな状況なので、クッシングにある貯蔵庫の原油は、すでに溢れそうな状況ということに。
溢れさせるわけにはいかないので、なんとか誰かに引き取って欲しいのですが、この状況ですから引き取り手がいません。
そうすると、「お金払うから、だれか引き取って!」となるわけで、つまりこれが【原油価格のマイナス】です。
たとえば、あなたが粗大ゴミを出すとき、業者にお金を取られたりしますよね。あれと同じ状況で、なんとか原油(ゴミ)を引き取ってもらうために、お金を払ってでも受け取って欲しいという状況になっているのです。
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じゃあ生産止めちゃえば?
じゃあ生産を止めればいいんじゃない?と思いますが、どうもそう簡単には行かないのです。一旦生産を止めてしまうにはそれ相当の莫大なコストがかかるため、急にパッと生産を止めることはできません。
で、結局、生産を止めることよりも、ある程度のお金は払うから、引き取ってくれということを選択しているようです。
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まとめ
経済の停滞で、需要と供給のバランスが崩れ、ある特定の条件下における原油の価格がマイナスになる、というのが、新コロ影響によってアメリカ・オクラホマ州で起きた、という話でした。
実際は、精製費やら税金やら輸送費やら人件費やらなにやらで、ガソリンが0円で手に入るということは無いんですけどね。
最近は全然いい話がなくって、これもそのひとつ。
コロナ、マジで早く終息して欲しいです。
・・・マジで。