ケーブル窃盗犯が誰よりも太陽光発電を愛してしまったけど、ずっと嫌いだったから別れましょう私から。
ケーブル窃盗犯が誰よりも太陽光発電を愛してしまったけど、ずっと嫌いだったから別れましょう私から。
防犯しなきゃ。
タケです。
寒くなってきましたね、寒いのは本当に苦手です。
さて、今に始まったことじゃないけど、現場のケーブル盗難って減らないですよね。
すぐにお金に換金できるという手軽さから、業界内部はもちろん業界外部にもちょっと名の知れた闇ワークです。
そしてどうやら最近は太陽光発電が、”カモ”のようです。
これまでは内部をよく知るプロの犯行が多かったのですが、比較的ビギナーでも楽に実行できてしまうらしく。
太陽光発電の売電価格も年々値下がりし、太陽光ビジネスの旨味がなくなってきたのに、このタイミングでケーブル盗難は泣きっ面にハチ。
盗んだ方が”罪”なら、盗まれた方はまさに”詰み”です。(・・・。)
※今回の記事はケーブル窃盗を助長するものではなく、盗まれる方も側もちゃんと現実を知って気をつけようよ!っていうお話です。
それではいきましょう、プラント百景スタートです!
なんで太陽光発電が狙われるの?
ケーブル盗難って昔からありましたが、太陽光発電はよりそれが簡単なのです。
それはこんな理由。
- 何といっても無人
- 山奥や郊外にあって人目につかない
- 設備自体が簡単でケーブルがすぐ目の前にある
- 防御は金網フェンスだけなので計画や侵入がベリーイージー
- 夜中は発電ゼロなので安心してチョン切れる
出典:株式会社地域環境計画
コンビナートにあるようなプラント設備では構内に入るのにはガチガチスーパーセキュリティなのに比べ、こちら太陽光発電は完全無人。
人が住まないような郊外や、効率よく発電できるよう山肌や高台などにも設置されていて、周囲に点在する民家からも死角になっているものも多いです。
誰にも見られずに時間をかけてケーブルを運び出すことができるのです。
なんでソーラーパネルを盗らないの??
パネルのほうが高く売れそうな気もするけど、
- その1枚が大きくって意外と重い
- 単品ではあまり価値がない
- 買い取ってくれるところが少ない
- シリアルナンバーが刻印されていて犯行に足がつく
- 簡単に取り外せないし大きな音がする
うん、・・・こんな感じかな。
でも、全然盗まれないわけじゃなくってもちろんパネル盗難被害もそれなりにあります。
ただ、パネルの取り付けには専用工具でしか外せない盗難防止ボルトなど色々と工夫されているのも要因でしょう。
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ケーブルはその真逆。
じゃ反対にケーブルが盗まれやすい理由はこんな感じでしょうか?
- 形状を選ばないので運びやすい
- 純度の高い銅でできているので市場価値が高い
- 買い取ってくれる業者が多い
- シリアルナンバーがないので足がつかない
- 好きなところで切れるので作業がラクラク
はい、都合いい事ばかり。
そもそもケーブルドラムなんて転がして運びやすいように作られているからパワーゲートの付いたトラックがあれば楽勝です。
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ブツブツに切られたけど、それでも価値あるの?
ケーブルは中にある銅線の部分に価値があります。絶縁被覆っていうのですが、銅線を覆っているビニールやゴム・紙類はお金になりません。
いくらケーブルが良い値段で転売できるからといっても、その価値は銅にしかなくって、少量ではその転売価格はたかが知れてます。
なので、ベストなのは銅線だけ持っていけばいいんだけど、その作業がめちゃめちゃ面倒なのと、大量にゴミが出るということ。
買い取る方も被覆を取り除く手間分を差し引いて買取価格を決めてます。
あと、金と同じで取引相場によって価格が変動します。
銅を含め、非鉄金属の国際価格はロンドン金属取引所(通称LME)で決められ、LME価格と言います。(話のスケールが急に山の中から世界規模になりましたね)
で、それをもとに通貨変換や需要動向などを考慮し、国内で取引される基準値が決められ、それを銅ベースと言います。
ちなみに銅ベースは大体5日~10日前後で随時更新され、その価格はJX日鉱日石金属株式会社が決めてます。
ちなみに本日(2017年12月5日)の銅ベースは、80万円/トン。
つまり、銅1トンが80万円で取引されるという意味です。
ということは、100Kgだと8万円・・・なんとなくイメージできたでしょうか。
下の表にあるように、2009年1月は33.8万円だったことに対し、現在の2017年11月は81.3万円。
更新:2018年9月現在の銅建値は¥717,700/トンです。
これらは原油価格や為替、米大統領選など世界情勢によって大きく変動し、特に中国の(インフラ整備などの)動きにとても敏感に反応します。
どうせ売るなら高く値段が上がった時に売る方が儲かるわけですが、逆に建設工事の時に大量にケーブルを買う時は安いタイミングを見計らって発注するとお得!という事です。
あるケーブルが同じ長さでも、昔は33万円で買えたのに、今は81万円出さないと買えないのです。
ただしこれ、盗んだケーブルの銅がそのままその値段になるわけじゃなくって、あくまで指標。
「市場では銅1トンがこのくらいの価格で取引が成立してるよ!」という感じの『これくらい感』です。
上にも書いたように、ケーブルには銅線以外にも色々な素材が使われているのでその重さもあるし、それらを取り除く手間もありますので、価格はそれぞれ買取業者によって銅ベースを参考に個々に決められます。
それが大体こんな感じです。↓↓↓
出典:株式会社カネマツ産業(三重県桑名市)
・・・。
例えばこんなニュース。
【太陽光発電所の銅線ケーブル1.9キロ盗まれる 茨城・鹿嶋】
25日午後2時半ごろ、茨城県鹿嶋市津賀の太陽光発電施設で、施設を管理している業者が銅線ケーブルがなくなっているのに気づき、所有者の男性社長(61)が「銅線が盗まれた」と110番通報した。県警鹿嶋署は何者かが盗んだとみて、窃盗事件として調べている。同署によると、盗まれたのは、ソーラーパネルと分電盤をつなぐ長さ約1・9キロの銅線ケーブル(約1200万円相当)。発電施設は施錠され、高さ約2メートルの金網フェンスに囲われているが、人が通れる程度の穴が2カ所に開けられていた。管理業者が6月25日に点検したときは異常はなかったという。
想像するに、なんとなく余裕っぽいですよね。
そして今、日本にはたくさんの太陽光発電所があり、常習犯はどの設備が簡単に盗めるか常にサーチしています。
日本全国の太陽光発電所(メガソーラー)一覧地図・ランキング
http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/energy/electrical-japan/type/8.html.ja
・・・・・・。
防犯対策
「エコでメンテナンスフリーな発電」が売り文句のはずが、毎日のように「いつ来るかわからないドロボーとの戦い」となってしまった太陽光発電。
しっかりと防犯対策を考えなければなりません。
他のサイトによく書かれている防犯対策はだいたいこんなもの。
- 簡単に切られない強いフェンスにしましょう
- 防犯カメラを設置しましょう
- 人感知ライトも設置しましょう
- ケーブルを地中に埋めましょう
えっと、まぁ効果はもちろんあると思いますが、これってかなり費用が掛かります。
なんなら盗難被害額以上の出費があるかもしれません。
もっと簡単で安くできる方法はないかな、ちょっと考えてみよう。
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よしできた。
資金がある人は上の対策、資金がない人はタケが考えた下の防犯対策をどうぞー。
<タケ考案:ケーブル盗難対策>
- 狂犬10匹をフェンスの中で放し飼いする
- ケーブルをウナギのようにヌッルヌルのヌッルヌルにして一生掴めなくする
- ケーブルに10センチおきに「呪 呪 呪 呪 呪 ・・・ 愛してる」と気持ち悪く書き綴る
- わざと切断しやすいところに10mくらい掘ったの落とし穴をつくる
- ドラマの時限爆弾のように「このどちらかケーブルを切れば爆発する」と書いておく
- 施設入り口から巨大迷路にして、どこも寄らずに出口に出るようにする
- 「あっちの太陽光発電のほうが盗みやすいよ♥」と案内地図を貼る
- 長ーい恵方巻きも一緒に並べておく(?)
- 防犯カメラならぬ防犯ガメラも設置する(???)
はい、バッチリですねっ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで読んでくれた方、感謝。全てに感謝。
最後はちょっぴりフザけちゃいましたけど、まんざら使えなくも無いような気もします。
それではまた次回。
タケ( @p100k_take )でした。
ではでは。
田舎は真っ暗。